この記事では、冗長な文章を改善する方法をご紹介します。冗長な文章は読み手にとって大きなストレス。書き手にとっても言いたいことが伝わらず、まさに「百害あって一利なし」です。

この記事を読み終わる頃には、あなたの文章は見違えるほど分かりやすくなっているはず。ぜひ最後まで読んでいってくださいね!

冗長な文章は読み手にストレス

冗長な文章とは、「無駄が多く、長い文章」を指します。学生の頃の「校長先生のスピーチ」を思い出してみてください。話があちこちに脱線したり、毎回同じような話をしていたり。「結局何が言いたいねん!」とイライラしながらあなたは教室に戻ったはずです。

冗長な文章やトークは意図が伝わりにくいだけでなく、聞き手や読み手に大きなストレスを与えます。無駄な脂肪を削ぎ落し、スリム化することこそ伝わりやすい文章の秘訣。まずは文章の脂肪である「代表的な冗長表現」を紹介していきます。

気を付けたい!代表的な冗長表現

ここでは、ついつい使ってしまう冗長表現の代表例を解説します。自分の文章と照らし合わせて、当てはまる項目がないか、確認してみてくださいね。

一文が長すぎる

長すぎる文章は、読者の脳を疲弊させ、メッセージが伝わりにくくなります。例えば以下の文章。

「このパソコンは安い上に故障しにくくてスペックも高いし店員の対応もよかったから買ったんだけど、よく考えたら僕はそもそもパソコンをそれほど使わないし必要なかったから返品したい」

「いや、長いわ!」と思った方が多いはずです。一文が長すぎると読者は息をつくことも頭を整理することもできません。話があちこち脱線してしまうので、書き手の意図が理解されにくいというデメリットもあります。

同じ意味の単語・文章の繰り返し

経験を積んだライターさんでも「頭痛が痛い」のような繰り返し表現をすることがあります。

  • 例文「一番最初に言っておくべきだった」
  • 例文「最後まで完結している」
  • 例文「雪辱を晴らす」

例えば上の例。「最初」には、既に「一番目」という意味が含まれています。したがって、「一番最初」は重複表現。「最後まで完結している」も同様です。

「雪辱」には「名誉を取り戻すこと」という意味が含まれているので、「雪辱を晴らす」は誤用。正しくは「雪辱を果たす」、もしくは「屈辱を晴らす」です。

くどい言い回し

くどい言い回しは、冗長な文章を生みます。

  • 例文「試合に勝つためには、情熱と継続的な練習が試合に勝つ秘訣だ」
  • 例文「一流のビジネスマンは、自分で仕事を作り出すのが一流のビジネスマンだ」

上記の二つは、「くどい言い回し」の具体例です。最初の文は「試合に勝つには、情熱と継続的な練習が必要だ」と言い換え可能。二つ目の文は「一流のビジネスマンは、自分で仕事を作り出す」、もしくは「自分で仕事を作り出すのが一流のビジネスマンだ」という表現がスマートです。

くどい言い回しは文章を難解にするだけでなく、読者に負担を与えます。

二重否定

二重否定を使うと、書き手の意図が伝わりにくくなります。

例文「僕は、あなたのことが好きじゃないわけじゃない」

デートのワンシーン。上記の表現でも意味は通じますが、多くの方は「もっとストレートに言え!」と背中を押したくなるはずです。分かりにくい告白も冗長な文章も、相手を混乱させる原因になります。

二重敬語

ビジネスの場で特に注意したいのが、二重敬語です。

  • 例文「ご覧になられます」
  • 例文「伺わせていただきます」

ビジネスマンがよく間違えてしまう敬語表現。上司への尊敬が空回りして二重敬語を使っていませんか?

例えば上の例。正しくは「ご覧になります」「伺います」です。「ご覧になる」「伺う」で完結している敬語に、「られる」「いただく」という敬語を更に加えたことでややこしい表現になっています。

文章表現としてはもちろん、ビジネスマナーとしても敬語の知識はつけておきたいですよね。

冗長な文末

魅力的な文章も、文末表現で台無しになることがあります。

例文「努力が実を結ばないこともあるものである」

「である」の文末表現が文章を台無しにしている例です。こちらの例は「努力が実を結ばないこともある」と短くまとめた方がスマート。文末表現ひとつで「冗長な文章」の烙印を押されてしまうので要注意です。

冗長な文章を避ける3つの方法

書き手にとっても読み手にとっても文章の意図が上手く伝わらないとストレスになります。冗長な文章を避けるには、上で説明した「代表的な冗長表現」を避けることが第一。その上で、ここからは読者に伝わる文章を書くためのポイントやテクニックを紹介します!

一文一義を徹底する

「一文一義」を意識すれば、冗長な文章は見違えるように改善します。「一文一義」とは、一つの文に、一つの情報だけいれること。一文にあれもこれもと情報やメッセージを詰め込むと、読み手にストレスを与えてしまいます。一文は最長でも80字までに抑えるのがおすすめです。

文章は短くシンプルなほど読者に伝わりやすいです。一文一義を心がければ、読者想いのスマートな文章が出来上がるでしょう。

結論は早めに

結論を最初に提示すれば、冗長な文章を避けることができます。各見出しや章の初めに結論を提示しておくのがベスト。続く文章がテーマから逸脱することを防ぎ、結論へとスムーズに論理展開できるようになります。

章や見出しの最初に結論、続く文章でその結論を補強するための具体例や補足説明を加えてあげましょう。基本の書き方としておすすめなのが「prep法」です。

  1. point(結論)
  2. reason(理由)
  3. example(具体例)
  4. point(結論)

この順番で文章を展開していくのが、prep法。一文一義とprep法を組み合わせれば、誰でも分かりやすい文章を書けるようになるはずです。

執筆した文章は読み直す

冗長な文章の多くは、執筆後の読み直しで回避できます。文章を書き終わったら、音読でも黙読でも構いません、二~三度全文を読み直してみましょう。

全文を読み直すことで、「ここの文、ちょっと長すぎるな」「ここ、同じ文末表現ばかり使ってる!」と気付くことができます。誤字脱字や漢字ひらがなカタカナのバランス、文章のリズム感など、些細な違和感にも気付いて改良できるはずです。

おすすめは、時間をあけてから読み直しすること。一度目と二度目、二度目と三度目の読み直しは数時間のブランクをあけて行いましょう。時間をおくと頭の中がクリアになり、より読者に近い、客観的な目線でチェックできるようになります。

冗長な文章を避けてスマートに

冗長な文章は、書き手の意図を正確に伝えられないだけでなく、読み手にストレスを与えてしまいます。書き手に求められるのは、負担なくスラスラと読め、中身がスッと脳内に入ってくる読者想いの文章。

無駄な贅肉を削ぎ落したモデル体型の文章を目指しましょう!下に冗長な文章を避けるためのチェックシートを用意しました。文章のダイエットにお役立てください。

長すぎる文はないか
同じ単語や文章の繰り返しはないか
くどい言い回しはないか
二重否定はないか
二重敬語はないか
冗長な文末表現はないか
一文一義ができているか
文章や論理展開が結論から脱線していないか
執筆した文章を読み直したか

 

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LEL編集部
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この記事はLEL所属ライターにより執筆されました。
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