「順位が下がってきた記事、全部書き直したほうがいいのかな」——過去の記事を前に、そんなふうに迷ったことはないでしょうか。

実は、リライトはやり方を間違えると、順位を上げるどころか落としてしまうことがあります。大切なのは、どの記事を・いつ・どこまで直すかという判断です。

この記事では、リライトする記事の選び方から、手をつける箇所の優先順位、AIに手伝ってもらうときのコツまで、順位を守りながら改善する手順を解説します。

リライトとは。全部の書き直しではない

リライトとは、公開済みの記事に手を入れて、内容を今の読者と検索結果に合った状態へ更新することです。

よくある誤解が、「リライト=古い記事をゼロから書き直すこと」というものです。実際には、ゼロから書き直すべきケースはまれで、多くの場合は部分的な改善で十分です。むしろ丸ごと書き直すと、これまで積み上がった評価まで手放してしまうことがあります。

リライトを考える出発点は、記事の「感想」ではなく「データ」です。なんとなく古い気がする、ではなく、数字を見てどの記事に手を入れるかを決めていきます。

どの記事から直すか。データで選ぶ

優先順位をつける材料は、Search Console(サーチコンソール)にそろっています。見るのは主に3つのパターンです。

  • 表示回数が多いのに、クリック率が低い記事:検索結果には出ているのに選ばれていない状態です。タイトルとmeta descriptionの見直しで改善できる可能性が高く、少ない手間で効果が出やすい筆頭候補です。
  • 順位が11〜20位(2ページ目)の記事:あと一歩で1ページ目に届く位置です。内容の追記や情報の更新で押し上げられる余地があります。ゼロから新記事を作るより、確実性の高い投資です。
  • 順位が下がり始めた記事:以前は上位だったのに、じわじわ落ちてきた記事。競合が新しい記事を出したか、情報が古くなったサインです。

逆に言うと、この3つに当てはまらない記事は、急いで直す必要はありません。「古い記事から順に直す」「公開から1年経ったら直す」といった機械的なルールより、データで選ぶほうが成果につながります。

もうひとつ、リライトならではの視点があります。Search Consoleで記事ごとの検索クエリを見ると、想定していなかった言葉で流入していることがよくあります。狙ったキーワードとは別の疑問を持った読者が、同じ記事にたどり着いているということです。

その想定外のクエリに対して、答える見出しをひとつ追記する。これは既存の評価を壊さずに入り口を増やせる、リライトのいちばん筋のいい形です。1つの記事は、育て方次第で複数のキーワードの入り口になっていきます。

あなたのサイトの状況で、直し方は変わる

同じデータを見ても、取るべき行動はサイトの状況によって変わります。

記事数がまだ少ないサイトの場合、リライトより新規記事を優先したほうがいい局面があります。手直しする母数そのものが少ないうちは、まず面を作ることが先です。リライトが本領を発揮するのは、記事が数十本たまってからと考えておくとよいでしょう。

ニュースやトレンドを扱った記事は、鮮度が命です。統計の数字、日付、機能の仕様など、古くなった事実の更新を最優先します。本文の構成をいじるより、数字をひとつ最新にするほうが効くことも多くあります。

そして見落とされがちなのが、すでに評価が出ている記事は触りすぎないという判断です。順位がついている記事は、今の内容が評価されているということ。特にタイトルの変更は、検索結果でのクリックのされ方を大きく変えるため、慎重に行う必要があります。

実際にあった例です。「リライトをしたら、順位が下がってしまった」という相談を受けたことがあります。詳しく見ていくと、原因はタイトルにありました。扱っているサービスを幅広く伝えるための単語が、いくつも入っていたのです。本文には手が入っておらず、それでも20位前後だった記事が、100位圏外まで落ちていました

タイトルに情報を足したくなるのは自然なことです。伝えたいサービスがいくつもあれば、なおさらだと思います。ただ、言葉を足せば足しただけ拾ってもらえそうな気がしますが、実際は逆でした。単語が増えるほど、その記事が何について書かれたものなのかがぼやけてしまいます。

タイトルを元の状態に戻したところ、順位は戻りました。その後は内部の施策を進めて、順調に上昇しています。

弊社の検証用記事でも、似た判断をした場面があります。検索結果の上位に入った記事に、引用していた統計数値の誤りが見つかったことがありました。このとき行ったのは、数値の修正と、新しく確認できた一次情報の追記だけ。タイトルと記事の構成には一切手を触れませんでした。

「直すべきもの」と「守るべきもの」を分けるのが、評価が出ている記事のリライトの原則です。

どこを直すか。優先順位のつけ方

手を入れる箇所にも、順番があります。効果とリスクのバランスで並べると、次のようになります。

  1. 事実の誤り・古くなった数字:最優先です。誤った情報は読者の信頼にも検索評価にも直結します。
  2. タイトルとmeta description:クリック率の改善に直結します。ただし順位が高い記事では慎重に。
  3. 一次情報の追記:自社の経験やデータを足すことで、他サイトとの違いが生まれます。既存の文章を消さずに価値を足せる、リスクの低い改善です。
  4. 内部リンクの追加:公開後に増えた関連記事とつなぐことで、記事同士が支え合う形になります。
  5. 見出し構成の変更:効果は大きい反面、評価されていた構造を壊すリスクもあります。順位が低迷している記事に限って検討します。

上から順に「リスクが低く、効果が読みやすい」改善です。いきなり⑤から着手せず、①〜③でどこまで変わるかを見るのが、順位を守りながら進めるコツです。

AIに手伝ってもらう方法と、任せてはいけないこと

リライトの下調べは、AIがかなり手伝ってくれます。たとえば記事の本文を渡して、こう頼みます。

「この記事を読んで、次の3点を指摘してください。①情報が古くなっている可能性のある箇所 ②数字の出典が書かれていない箇所 ③どのサイトにも書いてありそうな、ありきたりな説明になっている箇所」

自分で書いた記事は、思い込みごと読んでしまうものです。第三者の目としてAIに洗い出させると、見落としていた箇所が浮かび上がります。

一方で、AIに任せてはいけないことが2つあります。直すかどうかの最終判断と、事実の確認です。

AIは「この記事は古いので全面的に書き直しましょう」と、もっともらしく提案してくることがあります。しかしここまで見てきたとおり、評価が出ている記事では「直さない」が正解のことも多いのです。判断の基準はデータとサイトの状況にあり、それを知っているのは運用者自身です。

また、AIが「この数字は古い可能性があります」と指摘しても、では正しい数字は何かという確認は、必ず一次情報にあたって人が行います。AIの指摘はあくまで「疑わしい箇所のリスト」であって、答え合わせではありません。

なお、公開前の原稿を検索意図に照らしてチェックする方法は、AI時代の検索意図とは?正しく伝えるコツとプロンプト例つきで解説で紹介しています。公開前のチェックと公開後のリライトをセットで考えると、記事の育て方に一本の筋が通ります。

リライトで順位を落とすパターン

最後に、やってしまいがちな失敗を3つ挙げておきます。

キーワードの詰め込み。「もっと上位に」と焦って本文にキーワードを足していくと、文章が不自然になり、読者の離脱を招きます。

評価されていた見出しを消してしまう。検索流入の入り口になっていた見出しを、良かれと思って整理したら流入ごと消えた——というのは、リライトの典型的な事故です。見出しを消す前に、その見出しに関わるキーワードで流入がないかSearch Consoleで確認しましょう。

直しているうちに別の記事になってしまう。テーマがずれるほど書き換えると、検索エンジンから見れば「評価していた記事が消えた」のと同じことになります。大きく方向を変えたいなら、リライトではなく新しい記事として書くほうが安全です。

リライトを外注しようと考えている場合は、この失敗パターンがそのまま依頼先を選ぶ材料になります。データを見る前に「全記事リライトしましょう」という提案より、Search Consoleの数字を一緒に見たうえで「この記事は直さないほうがいい」と言える相手のほうが、記事の評価を守りながら改善を進めてくれます。作業量の多さではなく、判断の質で選ぶのがおすすめです。

直す前に「なぜ今の順位なのか」を考える

リライトの技術より大切なのは、手を入れる前にひと呼吸置いて、「この記事はなぜ今の順位にいるのか」を考えることです。

評価されているなら、その理由を壊さないように足す。評価されていないなら、何が足りないかをデータで特定してから直す。この順番さえ守れば、リライトは記事を確実に育てる手段になります。

弊社では、Search Consoleのデータをもとにした改善対象の選定から、リライトの実作業まで、御社のサイトの状況に合わせて支援しています。「どの記事から手をつけるべきか分からない」という段階でも、まずはデータを一緒に見るところから始められます。お気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

LELコンサルティング
LELコンサルティング
最新のニュースや業界動向をわかりやすく解説しています。机上の情報だけでなく、実際の運用経験に基づいた視点をお届けします。
大切にしているのは、無理なく続けられる持続可能なマーケティング施策。実践を通して、少しずつ運用方法を身につけていけるような伴走支援をご提供しています。
SEOを始めとするWeb集客支援にご興味がある方は、ぜひLELにご相談くださいませ!