キーワードを選ぶとき、なんとなく思いついた言葉で記事を書き始めていませんか。

「サジェスト」「共起語」「検索ボリューム」という3つの言葉を押さえるだけで、狙った読者に届く記事はぐっと作りやすくなります。

最近はAIに「キーワードを提案して」と頼む場面も増えてきました。ただ、この3つの用語の意味を理解しているかどうかで、AIから返ってくる提案の質も大きく変わってきます。

この記事では、それぞれの用語の意味と使い分け方、AIに指示を出すときのコツまで、順番に解説していきます。

サジェストキーワードとは

サジェストキーワードとは、Google検索の窓に言葉を入力したときに、下に表示される候補ワードのことです。

例えば「キーワード選定」と入力すると、「キーワード選定 やり方」「キーワード選定 ツール 無料」のような候補が並びます。これは、実際に多くの人が組み合わせて検索している言葉なので、読者が本当に知りたいことを知る手がかりになります。

サジェストは検索する人の生の言葉に近いという特徴があります。専門用語ではなく、普段使っている表現がそのまま出てくるので、記事の見出しやリード文の言い回しを考えるときにも参考になります。

なお、サジェストの中身は検索エンジンごとに異なります。日本国内の検索はGoogleとYahoo!でほぼ大半を占めており、Yahoo!の検索結果はGoogleの仕組みを使っているため、まずはGoogleのサジェストを見ておけば十分です。

サジェストは無料で確認できるツールがいくつもあり、特別な知識がなくても今日から試せる点も魅力です。Googleの検索窓に狙いたい言葉を入力して、どんな候補が並ぶかを眺めてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

共起語とは

共起語とは、あるキーワードで検索したときに、上位に表示されているページに共通して使われている単語のことです。

「キーワード選定」というテーマなら、「検索ボリューム」「検索意図」「ロングテール」といった言葉が共起語として挙がってくることが多いです。これらは、そのテーマを説明するうえで欠かせない要素だと考えられます。

「サジェストと共起語、結局どっちを優先すればいいの?」と迷う方もいるのではないでしょうか。

役割が違うと考えると分かりやすくなります。サジェストは「読者が何を知りたがっているか」を知るための材料で、共起語は「そのテーマを説明しきれているか」を確認するための材料です。目的が違うので、両方を見比べながら記事を作るのが理想的です。

ここでひとつ気をつけたいのは、共起語は「入れれば順位が上がる魔法の言葉」ではないという点です。あくまで、上位ページが触れている話題を確認するための目安として使います。文章に不自然に詰め込んでも効果は期待できません。

共起語を手作業で数えるのは大変ですが、専用ツールを使えば上位ページを解析して自動でリストアップしてくれます。上位表示されている記事を10本ほど読み比べて、共通して出てくる言葉を書き出してみるだけでも、傾向はつかめます。

検索ボリュームとは

検索ボリュームとは、あるキーワードが1か月にどれくらい検索されているかを示す目安の数字です。

数字が大きいほど多くの人に読まれる可能性がありますが、その分ライバルも多くなります。逆に数字が小さいキーワードは、競合が少なく上位表示を狙いやすい傾向があります。

「検索ボリュームがほとんどないキーワードなんて、書く価値がないのでは?」と感じることもあるかもしれません。

必ずしもそうとは言い切れません。検索ボリュームは過去のデータをもとにした推計値で、新しい言い回しや専門的な悩みほど数字に反映されにくいという特徴があります。

特に中小企業のサイトは、大手が狙わないような細かいキーワード、いわゆるロングテールキーワードのほうが上位表示しやすく、結果的に問い合わせにつながりやすいケースも少なくありません。

身近な例で考えてみましょう。「洗濯機 おすすめ」で検索する人は大勢いますが、その多くはまだ何となく情報を集めている段階です。

一方で「洗濯機 ドラム式 賃貸 搬入できない」と検索する人は、はるかに少数です。けれどこの人は、買いたい機種がほぼ決まっていて、目の前の一点で困っている状態にあります。

どちらの読者に向けた記事が、行動につながりやすいでしょうか。検索する人数だけを比べれば前者ですが、「この記事が役に立った」と感じてもらえる可能性が高いのは後者です。

検索ボリュームは「読まれる可能性の大きさ」を示す数字であって、「その記事の価値」を示す数字ではありません。ここを切り分けて考えられるようになると、キーワード選定の幅がぐっと広がります。

数字の見え方にも注意が必要です。Googleキーワードプランナーは、広告を出稿していないアカウントだと「100〜1,000」のような幅のある表示になり、検索が極端に少ないキーワードは「10未満」とまとめて表示されます。ツールによっては同じキーワードが「0」と表示されることもありますが、これは「まったく検索されていない」という意味ではなく、「計測できるほどの数がない」という意味だと考えておくとよいでしょう。

この3つの使い分け方

実際の記事作りでは、次のような流れで使い分けると整理しやすくなります。

まず、記事のテーマとなる軸のキーワードを決めます。次に、そのキーワードでサジェストを集めて、読者がどんな悩みを持っているかを洗い出します。

そのうえで、上位表示されているページの共起語を確認し、記事に入れるべき要素に抜け漏れがないかをチェックします。最後に、検索ボリュームを見ながら、どのキーワードを優先して書くかの順番を決めていきます。

この4つのステップは、一度に完璧にこなす必要はありません。最初は軸となるキーワードとサジェストの2つだけでも十分で、慣れてきたら共起語や検索ボリュームのチェックを少しずつ加えていくくらいの気持ちで取り組むと続けやすくなります。

初心者がやりがちな失敗

キーワード選定に慣れていないと、検索ボリュームが大きいビッグキーワードばかりを狙ってしまいがちです。しかし、ビッグキーワードは競合が強く、サイトを始めたばかりの段階では上位表示が難しいことがほとんどです。

反対に、検索ボリュームがほとんどないキーワードだけを集めて記事を量産するのも避けたいところです。読む人が少ないテーマばかりでは、サイト全体としての効果が出にくくなってしまいます。

もう一つ多いのが、サジェストや共起語を確認せずに、自分の感覚だけでタイトルや見出しを決めてしまうケースです。書き手にとって当たり前の言葉が、読者にとっては馴染みのない専門用語だったということも珍しくありません。

大切なのは、サジェストや共起語で読者のニーズを確認しながら、検索ボリュームが小さくても答えを求めている人が確実にいるキーワードを選ぶことです。

AIにキーワード選定を手伝ってもらうときのコツ

キーワード選定は、AIに手伝ってもらうこともできる作業です。ただし、頼み方によって返ってくる内容の質が変わってきます。

例えば、次のように具体的に指示すると、精度の高い提案が返ってきやすくなります。

「『◯◯』というキーワードのサジェストキーワードを20個リストアップして、検索意図ごとに分類してください」

「『◯◯』で上位表示されている記事に共通して出てくる共起語を教えてください」

このように、サジェスト・共起語・検索意図といった用語を使って指示を出すことで、AIも何を調べればいいかを正確に理解できます。逆に「いいキーワードを教えて」といった曖昧な頼み方では、当たり障りのない答えしか返ってこないことが多いです。

一つ注意しておきたいのが、検索ボリュームの扱いです。AIは検索ボリュームについて、もっともらしい数字を答えることがありますが、これは実際の検索データに基づいた正確な数値ではないケースがほとんどです。検索ボリュームを確認したいときは、ラッコキーワードやGoogleキーワードプランナーのような実際のツールで裏取りをするようにしましょう。

「AIに聞くだけでキーワード選定は完結するのでは?」と思うかもしれませんが、そこは少し注意が必要です。AIは候補を広げる壁打ち相手としてはとても優秀ですが、最終的にどのキーワードで書くかは、自社のサービス、実績データや読者への理解をふまえて人が判断することが欠かせません。

もう一つ、AIに聞くときは一度に完璧な答えを求めすぎないことも大切です。まずは幅広く候補を出してもらい、そこから実際のツールで検索ボリュームを確認し、自社のサービスと結びつけられそうなものに絞り込んでいく、という2段階の進め方をすると精度が上がりやすくなります。

そのまま使えるプロンプトの型

実際にAIへ指示を出すときは、次の5つを埋める形にすると、返ってくる内容が安定します。

  • 誰に向けた記事か(読者の立場・状況)
  • 軸になるキーワード
  • 何を出してほしいか(サジェスト/共起語/記事タイトル案など)
  • いくつ出してほしいか
  • どう整理してほしいか(検索意図別、購入までの段階別など)

これを1つの文章にまとめると、次のような形になります。

「私は〈業種〉の企業でオウンドメディアを担当しています。読者は〈読者像〉です。
『〈軸のキーワード〉』というテーマで記事を作ります。
このキーワードのサジェストキーワードを30個挙げて、『情報を集めている段階』『比較検討している段階』『依頼先を決める段階』の3つに分類してください。
それぞれの検索者が何に困っているかも、1行ずつ添えてください」

ポイントは、最後の「何に困っているかを1行ずつ」の部分です。キーワードの一覧だけを受け取っても、そこから記事の切り口を考える作業が残ってしまいます。

困りごとまでセットで出してもらうと、そのまま見出しの案として使えるものが混ざってくるため、次の作業につなげやすくなります。

返ってきた内容に物足りなさを感じたときは、「もっと具体的に」と伝えるよりも、条件を1つ足すほうが効果的です。「〈地域名〉で検索する人が使いそうな言葉に絞ってください」「すでに他社と取引している人が調べそうな言葉を中心に出してください」といった具合です。

そして最後に忘れたくないのが、AIが出した検索ボリュームは鵜呑みにせず、必ずツールで確認するという一手間です。

AI検索の時代でもキーワード選定は必要なのか

AI Overviewsのような生成AIによる検索結果が増えてきた今、キーワード選定という作業自体に意味があるのか疑問に思う方もいるかもしれません。

この点について、Googleは2026年に公開した公式ガイドの中で、生成AI検索に対応するための特別な対策は必要ないという考え方を示しています(Google検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」)。

このガイドには「生成AI検索に関する誤解を解く」という章があり、AI向けの専用ファイル(llms.txt)を用意すること、文章をAIが読みやすいように細かく区切ること、AI専用の構造化データを追加することなどは、いずれも必要ないと明記されています。

理由はシンプルで、AI OverviewsやAI Modeといった機能が、通常の検索と同じ順位付けの仕組みの上に成り立っているからです。つまり、これまでのSEOの基本がそのまま生成AI検索にも通用するということです。

ひとつ、キーワード選定に関わる重要な指摘もこのガイドには含まれています。Googleは「AIのために文章を書き換える必要はない」という項目の中で、AIは言い換えや似た意味の言葉を理解できるため、ロングテールキーワードを網羅できていないことを心配する必要はないと述べています。

むしろ、検索されうる言い回しのバリエーションごとに記事を量産する行為は、順位を操作する目的とみなされればスパムポリシー違反になりうるとも書かれています。

「細かいキーワードを狙う」ことと「キーワードの数だけ記事を作る」ことは別ものだということです。ロングテールキーワードを意識するのは、読者の具体的な悩みを捉えるためであって、記事の本数を増やすためではありません。

ただし、これらはあくまでGoogle検索についての説明であり、ChatGPTなど他社のAIサービスに同じ考え方がそのまま当てはまるとは限らない点は、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。

いずれにしても、サジェスト・共起語・検索ボリュームを踏まえて読者の悩みに正確に応える記事を作るという、この記事で紹介してきた基本の積み重ねこそが、AI検索の時代でも変わらず土台になります。

まずは3つの用語を押さえることから

サジェスト・共起語・検索ボリューム、それぞれの役割を理解して使い分けるだけで、キーワード選定の精度は大きく上がります。

AIを使う場合も、この3つの用語を使って具体的に指示を出すことで、より実用的な提案を引き出しやすくなります。最初から完璧を目指す必要はありません。まずは1つの記事のテーマで、この3つを意識しながらキーワードを整理してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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