動画の企画を考える際、まず同じテーマで再生数が伸びている動画を探して、その構成を参考にする。よくある進め方ではないでしょうか?
再生数が多いから、これなら大丈夫。そう考えて選んだ動画が、YouTubeの収益化ポリシーに沿っていない場合があります。動画を開けば、コメントの反応も作りの丁寧さも伝わります。ポリシーに沿っているかどうかだけが、画面には出てきません。
この記事では、収益化ポリシーの中身と、参考にする動画を開いたときに確かめたい観点を解説します。公式が挙げている基準は「独自性があるか」で、「AIで作ったかどうか」は入っていません。
目次
収益化のポリシーは、2025年に一度整理されている
YouTubeのチャンネル収益化ポリシーのページには、変更履歴が載っています。直近の更新は2025年7月15日で、下記のように書かれています。
「『繰り返しの多いコンテンツ』に関するポリシーを若干更新し、繰り返しの多いコンテンツだけでなく大量生産されたコンテンツもこれに該当することをより明確にします」
新しい禁止事項が増えたわけではありません。もともとあった項目の説明に、大量生産されたコンテンツもこの項目に該当する、と書き足された形です。
収益化ポリシーで、コンテンツの中身について書かれているのは次の3種類です。
- 一般的、または繰り返しの多いコンテンツ
- 再利用されたコンテンツ
- 満足度の低い、または不快なコンテンツ
このほかに、子どもや家族向けコンテンツの品質原則が別枠で置かれています。
この3つのうち、AIについて触れているのは「一般的、または繰り返しの多いコンテンツ」です。公式の記述はこうです。
「クリエイターならではの、率直な洞察や視点が追加されておらず、汎用的または独創性のないテンプレートを使用して作成され、大量生産されたような印象を与える AI 生成コンテンツ」
「AI 生成コンテンツ」の前に、長い条件が並んでいます。率直な洞察や視点が加わっているか、テンプレートのままか。判断の軸は独自性の側に置かれていて、AIを使ったかどうかは基準になっていません。
同じページには、次の一文もあります。「コンテンツの作成に自動化ツールやテンプレートを使用する場合でも、最終的な成果物は、クリエイティブなビジョンを示し、教育的または娯楽的な価値を有している必要があります」
AIという道具を使うこと自体は止められていません。出来上がったものに独自の価値があるかどうかが、条件として書かれています。
「再生数が多い」は、基準を満たしている証明にはならない
再生数が多いのは、その動画が多くの人に見られたということ。ポリシーに書かれているのは、独自の視点や価値が入っているかどうかという別の軸です。
2つが重なる動画もありますが、片方がもう片方を保証するわけではありません。「伸びているのだから、作り方も問題ないはず」という読み方は、そこでつまずきます。
弊社では、参考にした動画がある場合、動画の内容とポリシーの項目と照らし合わせています。お手本として選んだ動画が基準に沿っていない状態だった、というケースがあります。丁寧にリサーチをして選んだ動画でも、開いてみるまでは分かりません。
人気の動画がいまYouTube側でどう扱われているかも、動画一覧ページだけを見て分かるものではありません。画面に出ている再生数は、公開されてからの合計です。
外から分からない部分を推測するより、その動画がポリシーの記述に近い形かどうかを自分の目で確かめるほうが早い。基準は公開されているので、誰でも確認することができます。
参考にする動画で見ておきたい3つのこと
これからご紹介する方法は、動画と投稿履歴を開けば確かめられます。特別なツールは要りません。
その人にしか出せないものが残っているか
「一般的、または繰り返しの多いコンテンツ」の項目には、「クリエイターならではの、率直な洞察や視点が追加されておらず、汎用的または独創性のないテンプレートを使用して作成され、大量生産されたような印象を与える」と書かれています。
参考にしたい動画から、その人自身の体験・意見・撮影した映像を抜いてみてください。抜いたあとに何も残らないなら、参考にできるのはテンプレートの部分だけです。
残るものがある動画なら、その残った部分が本体です。構成だけを写しても、同じものにはなりません。
元の動画へのコメントや編集が加わっているか
収益化ポリシーの「再利用されたコンテンツ」では、許可される例として「批評する目的でクリップを使用している」「元の動画に対してコメントを加えている」「実質的な編集が行われており、チャンネル独自のコンテンツであることがはっきり示されている」が挙げられています。
反対に、「説明がほとんどないか、まったくない」編集や、「別のオンラインソースからダウンロードまたはコピーしただけ」のものは、許可されない例として書かれています。
他の動画の素材や構成を使うとき、そこに自分のコメント・批評・実質的な編集が加わっているか。参考にしたい動画がどちらに近いかを見ておくと、動画の構成や要素に何を足せばいいかも決めやすくなります。
似た構成の動画が短い間隔で並んでいないか
スパム、欺瞞行為、詐欺に関するポリシーには、「自動化または合成による大量生成」という項目があります。「自動化ツールやAIを使用して、類似したコンテンツを最小限の変更で大量に量産する行為」が、その例です。
ここでも、道具の使用そのものは止められていません。新しいツールの試験や、1本の動画を数パターン投稿する程度は許可されると書かれています。
チャンネルの投稿履歴を開いて、似た構成・似たサムネイル・似たタイトルが短い間隔で何本も並んでいないかを見てください。ずらりと並んでいるなら、その形をそのまま増やす前に、一度立ち止まる材料になります。
基準は「独自性」のほうに置かれている
公式が挙げているのは、テンプレートのままか、率直な洞察や視点が加わっているか、同じようなものが最小限の変更で並んでいないか。作り方の道具は、そこに入っていません。
裏を返すと、AIを使っていても、その人の体験や視点が入っていれば独自性の側に立ちます。手作業だけで作っていても、テンプレートのままなら、ポリシーの項目に当てはまる可能性があります。
参考にする動画を探す前に、基準のほうを先に読んでおく。読む順番が変わるだけで、伸びている動画のどこを参考にして、どこは参考にしないかも決められます。
弊社では、YouTubeチャンネルの運用をご支援しています。企画の作り方や、公開前の確認の進め方で迷ったときは、お気軽にご相談ください。
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