「TikTokやShorts的な縦型動画は、うちの会社には縁がない」——そう思い込んでいませんか?

TikTokやInstagram Reels、YouTube Shortsで見かける縦型の動画は、個人や若い世代向けのコンテンツというイメージを持たれがちです。「企業がやるなら、ちゃんとしたカメラや編集チームが必要なのでは」「若い人向けのSNSだから、うちの業種には合わないのでは」——そう感じて一歩を踏み出せずにいるとしたら、それは少しもったいないかもしれません。

ですが実際には、検索ニーズへの対応、認知拡大、コストの低さ、そして今の段階での伸びやすさという点で、企業こそ縦型動画に取り組むメリットが大きい状況になっています。動画を見る側の習慣が変わった今、発信する側もそれに合わせて形を変えていく必要があるということです。

この記事では、企業が縦型動画に取り組むべき理由と、実際に始める際のポイントを整理して解説します。

縦型動画とは?基本の仕組みとサイズ

縦型動画とは、スマートフォンの画面に合わせて縦向きに作られた動画のことです。従来の横型動画(16:9)とは違い、9:16のアスペクト比、解像度でいうと1080×1920が基本サイズになります。スマートフォンを横に倒さなくても、画面いっぱいに動画を表示できるのが特徴です。

横型動画をスマートフォンで見ると、画面の上下に黒い余白ができてしまいます。縦型動画はこの余白をなくし、画面全体を使って情報を届けられるため、視聴者の集中力を途切れさせにくいという利点もあります。

主要3プラットフォームの違い

縦型動画を投稿できる主なプラットフォームには、それぞれ特徴があります。どこから始めるかを決める際の参考にしてください。

プラットフォーム主な尺特徴
TikTok3秒〜10分(ファイルアップロードなら最大60分)エンタメ性が高く、拡散力がある。若年層のユーザーが多い
Instagram Reels3秒〜180秒(アップロードなら最大15分程度)ライフスタイル系コンテンツと相性がいい。ビジュアル重視
YouTube Shorts〜180秒教育・情報系との相性がよく、既存チャンネルとの連携がしやすい

企業がまず取り組みやすいのは、既存のYouTubeチャンネルと連携させやすいYouTube Shortsだと言えるでしょう。すでにYouTubeで長尺動画を投稿している会社であれば、同じチャンネルの中でShortsも並行して発信できるため、新しくアカウントを作る手間がかかりません。

一方、これから新しくチャンネルを開設する企業にとっても、Shortsは始めやすい入り口になります。Shortsはチャンネルの登録者数に関係なく、動画1本ごとにおすすめ表示されるため、開設したばかりで登録者数がゼロの状態でも、新しい視聴者に見てもらえるチャンスがあります。

いきなり長尺動画から始めるより、まずは短い縦型動画でチャンネルの土台を作り、反応のよかったテーマを後から長尺動画に展開していく、という順番で進めることもできます。

どんな業種に向いている?

「縦型動画は自社の業種に合うのだろうか」——そう気になった方に向けて、一例として、弊社がこれまで企画・運用を担当してきた業種を紹介します。

  • 製造業・不動産・医療歯科・士業・教育など、比較検討にじっくり時間がかかる専門性の高いサービス
  • 飲食・食品・ウェディング・ペット・アパレル・車など、店舗型やライフスタイルに関わる業種
  • 観光・旅行・移住・スポーツ・ゴルフなど、高価格帯の商材や体験を扱う業種

いずれの業種にも共通しているのは、「言葉で説明しきれない魅力」や「使う場面が想像しにくい商品・サービス」を扱っている点です。縦型動画は短い時間で雰囲気や使い方を直感的に伝えられるため、こうした業種と特に相性がいいと言えます。

企業が今、縦型動画に取り組むべき3つの理由

縦型動画に企業が取り組むメリットは、大きく3つに整理できます。それぞれ、根拠となるデータとあわせて見ていきましょう。

理由1:検索ニーズ・視聴習慣の変化に応えられる

動画の視聴環境は、この数年でスマートフォン中心に大きく変わりました。Googleも、スマートフォンで動画を視聴するユーザーに向けて縦型・スクエア動画を活用することを公式に案内しています(Google広告ヘルプ)。

Think with Googleが紹介した調査でも、YouTubeの総再生時間の70%はモバイル端末からという結果が出ており(Think with Google)、モバイル中心の視聴傾向はその後も続いていると考えられます。

つまり、ユーザーがどんな体勢でも自然に見られる縦型動画は、今の視聴習慣そのものに応える形だということです。移動中や休憩中に片手でスマートフォンを操作しながら情報を集める人は多く、そうした場面では横型動画よりも縦型動画のほうが圧倒的に見てもらいやすくなります。

「検索してもヒットするコンテンツがない」という状態を避けるためにも、縦型動画で情報を発信しておく意味は大きいと言えます。

理由2:検索していない人にも認知してもらえる

縦型動画のもう一つの強みは、検索していない人にも見てもらえる点です。通常の検索は、ユーザーが自分で知りたいことを言葉にして調べて初めて情報にたどり着きます。一方でYouTube ShortsやTikTokのようなショート動画は、視聴履歴や興味関心をもとにアルゴリズムがおすすめ表示するため、そのキーワードを検索したことがない人の画面にも自然に流れてきます。

これは、企業にとって非常に大きな意味を持ちます。「そもそも自社の商品・サービスの存在を知らない」という潜在顧客に対して、検索されるのを待つのではなく、こちらから接点を作りにいけるということだからです。

弊社が支援した企業でも、検索していないユーザーからの再生数が大きく増加した事例があります(※導入事例の一例であり、業種や条件によって結果は異なります)。「良い商品・サービスなのに、まだ知られていない」という会社にとって、これは大きなチャンスになります。

理由3:今の段階では長尺動画より再生数が伸びやすい

YouTubeのCEOであるニール・モーハン氏は、2026年の年次レターの中で「YouTube Shortsは1日あたり200億回再生に到達した」と明らかにしています。これは2024年3月時点の1日あたり70億回から、2年足らずで186%増加した数字であり、公式に成長が裏付けられています(YouTube公式ブログ)。

プラットフォーム側がShortsの視聴・投稿を積極的に後押ししている今の段階では、同じ労力をかけるなら縦型の短い動画のほうが、再生数という結果につながりやすいタイミングだと言えます。新しいフォーマットが伸びている時期は、まだ競合となる企業アカウントも少なく、後から始めるよりも有利に働きやすいものです。

長尺動画がダメというわけではありません。役割が違うと考えるのが正確です。「今はShortsで新しい視聴者と出会い、興味を持ってくれた人には長尺動画でじっくり内容を伝えてファンになってもらう」という2段階の役割分担で考えるのがおすすめです。

縦型動画を始めるときの3つのポイント

理由が分かったところで、実際に始める際に押さえておきたいポイントを紹介します。いずれも特別な技術がなくても意識できることばかりです。

最初の3秒で惹きつける

縦型動画はスワイプでどんどん次の動画に移動できてしまうため、「最初の3秒が勝負」とよく言われます。ですが実際には、視聴者は1秒目から無意識に「見るか、スワイプするか」を判断し始めています。3秒はあくまで目安と考え、映像が始まった瞬間から「これは見る価値がある」と思わせられるかどうかを意識しておきましょう。「今日は〇〇について話します」といった前置きから入るのではなく、結論や一番伝えたいポイント、インパクトのある映像を冒頭に持ってくる構成を意識しましょう。

音を消して見ている人も多いため、字幕やテロップで内容が伝わるようにしておくことも大切です。

尺の目安は30〜60秒

情報を詰め込みすぎず、30〜60秒程度にまとめるのが基本です。1つの動画で伝えることを1つに絞ると、視聴者にも伝わりやすくなります。

短い尺に収めるコツは、台本の段階から意識しておくことです。文章を長く書いてしまうと、映像もつい説明的になりがちです。

見出しやキャッチコピーも、余計な言葉を削るほど強く響くもの。動画の台本も同じで、削ぎ落とすほどインパクトが増します。

台本の時点で短いフレーズにまとめておけば、撮影もスムーズに進み、仕上がりの尺も自然と短くなります。

スマホ1台で内製できる

縦型動画は、大掛かりな機材やスタジオがなくても、スマートフォン1台で撮影・編集まで完結できるのも大きな魅力です。三脚とスマートフォンさえあれば、社内のオフィスや店舗でもすぐに撮影を始められます。

外部にすべて依頼するのではなく、社内で撮影・企画のノウハウを少しずつ蓄積していけば、継続的な発信がしやすくなります。動画制作を完全に外注してしまうと、担当者が変わったときや予算が見直されたときに発信が止まってしまうリスクがありますが、社内にノウハウが残っていれば、その状態を避けやすくなります。

弊社では、こうした「社内に運用ノウハウを残す」内製化支援も行っており、企画の考え方や撮影・投稿の基本を、実際の業務に落とし込みながらお伝えしています。すべてを外部に任せる運用代行と、社内で回せる状態を目指す内製化支援、どちらが自社に合っているかを一緒に整理するところから始めることも可能です。

よくある質問

Q. 縦型動画は、今ある横型動画の使い回しでも大丈夫?

横型動画をそのまま縦型サイズに切り抜くだけでは、文字や被写体が見切れてしまうことがあります。使い回す場合も、テロップの位置や構図を縦型に合わせて調整し直すことをおすすめします。

ゼロから作るよりは手間がかからないため、まずは既存の素材を活用しながら試してみるのも一つの方法です。

Q. 予算はどれくらい必要?

社内で撮影・編集まで内製すれば、追加の機材費はほとんどかからず、スマートフォンと無料の編集アプリだけで始められます。外部に依頼する場合は、企画から任せるのか編集だけ依頼するのかによって費用感が大きく変わるため、まずは自社の目的と体制に合わせて内製・外注のどちらが合うかを整理するところから始めるのがおすすめです。

Q. 効果が出るまでどれくらいの期間がかかる?

業種や投稿頻度によって差があるため、一概には言えません。ただし縦型動画は「1本のヒット」よりも継続的な投稿の積み重ねで結果につながりやすい施策です。

まずは数ヶ月単位で継続してみて、反応のよかった企画の型を自社の中で見つけていく進め方が現実的です。

まずは「小さく試す」ことから

縦型動画は、検索ニーズへの対応、非検索層への認知拡大、コストの低さ、そして今の段階での伸びやすさという点で、企業にとって取り組む価値の大きい施策です。いきなり大きく始める必要はなく、まずは1本、スマートフォンで撮ってみるところからで十分です。

とはいえ、「新規で立ち上げるべきか、既存チャンネルを見直すべきか」「何を発信すればいいのか」「社内で回せる体制をどう作ればいいのか」といった判断は、自社だけで整理するのが難しい部分でもあります。

弊社では、企画・撮影・編集・投稿・分析までのサポートを弊社が担う「運用代行」と、社内に運用ノウハウを残しながら進める「内製化支援」の両方をご用意しています。まずは45分の無料相談で、自社の場合はどこから手をつければいいのかを一緒に整理することも可能です。「何から始めればいいか分からない」という段階でも、まずはお気軽にご相談ください。

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LELクリエイティブチーム
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株式会社LELのクリエイティブチームが作成している記事です。
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